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世界の森林減少
世界の森林が失われ続けている?
日本との関係は?
どうして森林破壊が起こっているの?
私たちに何ができる?
contents
減少を続ける世界の森林
森林の定義の「実は』
森林減少の要因は?
日本との関わり
いま、私たちにできることは?
減少を続ける世界の森林
現在、世界の森林面積は約40 億ヘクタールあり、陸地面積の三分の一が森林に覆われています。森林の種類別では熱帯林がもっとも多く「45%」を占めており、亜寒帯林、温帯林、亜熱帯林が後に続きます。世界の森林は減少を続けており、その面積は毎年約1,000 万ヘクタール( 北海道の約 1.2 倍の面積)にのぼるとされています。森林が失われている国は熱帯地域に集中し ており、国別では、ブラジル・コンゴ・ボリビア・インドネシアなどでの減少が目立ちます。
参考:2023 年の森林減少面積の国別ランキング(世界資源研究所,2024)


(図)2002年~2024年までの熱帯林の減少面積 (世界資源研究所, 2024)

(図)2001~2015 年の森林減少の原因別ランキング( 世界資源研究所より作成, 2020)
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森林(天然林)を守る
熱帯林は生物多様性の宝庫
熱帯林の面積は地表のわずか6~7%に過ぎませんが、地球上の生物の約半数が生息しています。ボルネオの熱帯林1 ヘクタールあたりに生育している木の種類は約400 種類で、ヨーロッパ全土よりも多いとも言われています。 熱帯林はいずれも固有種が多く生息する貴重な生態系です。 一度絶滅した固有種は、二度とこの世界に戻ることはありません。 また、世界中で使われている薬の原料の多くを生み出すなど、人類全体にとっても極めて重要な「生物多様性の宝庫」です。

開発目標(SDGs) において、
「15. 陸の豊かさも守ろう」 という森林に関連する
2 項目の具体的な目標として以下が掲げられていました

これらの約束は果たされていません。
熱帯林の面積は地表のわずか6~7%に過ぎませんが、地球上の生物の約半数が生息しています。ボルネオの熱帯林1 ヘクタールあたりに生育している木の種類は約400 種類で、ヨーロッパ全土よりも多いとも言われています。 熱帯林はいずれも固有種が多く生息する貴重な生態系です。 一度絶滅した固有種は、二度とこの世界に戻ることはありません。 また、世界中で使われている薬の原料の多くを生み出すなど、人類全体にとっても極めて重要な「生物多様性の宝庫」です。
2015 年の国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)において、「15. 陸の豊かさも守ろう」という森林に関連する具体的な目標として以下が掲げられていました。

以下のグラフは、世界でも特に森林減少が集中している熱帯地域での減少面積の推移を示したものです。 これらの約束は果たされていません。

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気候変動の鍵を握る泥炭地
熱帯地域には泥炭地と呼ばれる大量の炭素を抱える土壌があります。
高温多湿の熱帯地域に広がる地下水位の高い湿地で、樹木の枝や葉など有機物が分解されずに長い年月をかけてできた土地のことです。泥炭地は陸地面積のわずか3%にしか分布していませんが、世界中の森林の二倍に匹敵する炭素を抱えています。泥炭地で開発が行われることで、温室効果ガスが大気中に放出され「炭素の貯蔵庫」から「炭素の放出源」となり、気候変動に大きな影響を与えてしまいます。
泥炭地について詳しく読む
泥炭地という言葉は日本では、あまり耳慣れない言葉ですが、地球環境に大変大きな影響を与えている存在です。枯れた植物が水につかった状態がつづくと、微生物の活動が抑制されて泥炭が形成されるところがあります。泥炭地は湿地でもあり、莫大な炭素が貯蔵されています。
しかし、泥炭地が開発されて乾燥すると、泥炭は微生物により分解されて二酸化炭素を排出します。さらに火災にあうと大量の二酸化炭素を放出し、地球温暖化を加速します。泥炭地は世界中にあり、インドネシアなど熱帯の泥炭地では、高い樹木が森林を形成しており、その倒木が泥炭化するので、泥炭層が厚く10mをこえるところもあり、とくに大量の炭素を蓄積しています。ラムサール条約事務局発行の世界湿地概況2018 年版によると「泥炭地は陸地面積のわずか3% しか占めていないが、 世界中の森林の2 倍に匹敵する炭素を貯えている。」としています。
泥炭地を含む湿地の重要性は、ラムサール条約(1975 年発効)などで、世界中の国々にも理解され、さまざまな取り組みも行われてきていますが、あまり開発が行われてこなかった熱帯の泥炭地でも、紙製品をつくるためのアカシアや、パームオイルをつくるためのアブラヤシのプランテーションが大規模に開発されるようになり、泥炭地が排水されて地下水位が下がって乾燥し、泥炭層にまで広がる大規模火災もたびたび起こって大量の二酸化炭素が放出されるという危機的な事態となっています。
さらに、熱帯の泥炭地はオランウータンなど貴重な動植物を支え、生物多様性を支え、水を浄化する、地球の宝ともいうべきところです。熱帯だけではなく、泥炭地を含む湿地は人間を含む多様な生物の生存のために、欠かすことのできない存在であり、守っていかなければなりません。
熱帯林は「地球の肺」とも呼ばれています。
泥炭湿地と呼ばれる、大量の炭素を固定する土壌がありますが、開発にともない温室効果ガスが大気中に放出されることで気候変動に大きな影響を与えます。気候変動対策の議論においては、森林減少の削減はもっとも費用対効果の高い対策の一つであると国際社会に認識されています。

森林は現地の人びとの暮らしを守ります。
熱帯林がある国々では、多くの人々が森に依存する生活を送っています。
住宅を建てるための木材や、生活に欠かせない食料や水などは森がすべて与えてくれます。
マレーシア・ボルネオ島の先住民族であるプナン人のように、狩猟・採集をしながら森で暮らす人々にとって、森はスーパーマーケットのような存在なのです。
森林の定義の「実は」
プランテーションは森林か?

また、FAO が公表している世界森林資源評価(FRA) の中では、「森林減少」とは別に「森林面積純変化」というデータがあります。これは森林の減少面積と増加面積を合計したものです。つまり、植林地やプランテーションのために天然林が伐採されている場合であっても、上記の森林の定義に従えば森林の増減がゼロとなり、実態とかけ離れた数字になる可能性があるため、森林減少については「人工林と天然林」の割合にも注目する必要があります。
森林減少の要因は?
森林が減少する原因は国や地域によってさまざまですが、主に家畜の放牧地であったり、大豆やパーム油などの作物を生産するために森林を切り開いて農地にすることが原因とされています。特にブラジルなどで牛肉を生産するための放牧地への土地転換は、世界の森林減少のもっとも大きな原因となっています。それ以外にも、大豆やパーム油(アブラヤシ)を生産するためのプランテーション開発も、東南アジアや中南米、西アフリカの一部で大規模な森林破壊を引き起こし、野生生物にも深刻な影響を与えています。また、森林破壊の面積としてはそれほど大きくはないものの、石炭や金、また電気自動車などのバッテリーの原料となるニッケルといった鉱物資源を採取するための森林破壊は、周辺環境や人びとの生活に壊滅的な影響を与えています。



焼畑は原因の一つ?
焼畑とは、森林や原野を焼き払い農地を確保しながら、燃えた草木灰を天然の肥料として農作物を栽培する最も原始的な農法の一つになります。伝統的な焼畑農業は肥料の少ない地域でも栄養分が確保できることで、農業が可能となるため、食物確保手段の一つとしてアフリカなどの熱帯地域などで古くから行われてきました。地力が落ちるとまた次の場所で焼畑を行い、長い期間を置いた上で元の場所に戻り農作物を栽培する「輪作」によって循環し、栄養分の供給や害虫の駆除、環境の維持など自然の営みを守りながら、作物を育てるという循環的農業です。
しかしながら、人口の増加に伴い、より多くの農作物の供給を行うため、大規模な焼畑が行われるようになり、輪作も短期間で行うことから、土が痩せてしまい、森林破壊や砂漠化が起こっている他、森林に住む貴重な動物たちが住処を追われ、生態系の破壊にも繋がっている現実もあります。「焼畑」と言っても、「伝統的な焼畑」と「非伝統的な火入れ」焼畑は区別しなければなりません。
森林(天然林)を守る
気候変動を防ぐ熱帯林は「地球の肺」とも呼ばれています。泥炭湿地と呼ばれる、大量の炭素を固定する土壌がありますが、開発にともない温室効果ガ スが大気中に排出されることで気候変動に大きな影響を与えます。気候変動対策の議論においては、森林減少の削減はもっとも費用対効果の高い対策の一つであると国際社会に認識されています。
生物多様性を守る森林は地球上でもっとも生物多様性が豊かな地域です。熱帯林だけで、地球上の生物多様性の3 分 の2 以上を支えているとも言われています。現地の人びとの暮らしを守る日本ではあまり馴染みがありませんが、熱帯林のある国々では多くの人びとが森林資源に依存した生活を送っています。
例えば、ボルネオ島の先住民族であるプナン人は森の中で狩猟採取をしながら生活しています。
これは森林がなければ成立しないのです。わたしたちの生活を守る新型コロナウイルス感染症のように、今後新たなウイルス性の感染症によるパンデミックが発生する恐れは十分にあります。
2020 年10 月、各国の科学者が参加する政府間組織「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)」は、新型コロナウイルスのように動物から人に感染する人獣共通感染症の危険性を指摘する報告書を公表しました。
人獣共通感染症はこれまでに200 種類以上が確認されていて、人間の感染症の約6 割を占めるとされています。そして、毎年5 つ以上の新しい人獣共通感染症が発生していると報告書は指摘しています。ウイルスが種の壁を越えて人間に感染できるようになった時に、新たな宿主となった人間に重篤な症状をもたらすことが多くあります。新たな人獣共通感染症が増える要因として、報告書は野生生物の取引や森林破壊の拡大などの経済活動による開発の影響を挙げています。生物の多様性を誇る豊かな森林は、同時に未知の病原体の宝庫であるともいえます。森林を伐採し牧場を作って家畜を放牧したり、野生動物の狩猟を行ったりすれば、病原体を持つ野生動物から人間へ、あるいは家畜から人間へ感染症が媒介される危険性があります。
また、元の生息地を破壊されたコウモリや鳥類などは新たな生息地を求めて都市部に移動します。
こうして野生動物と人間の距離が近づくほど、新たなパンデミックをもたらすウイルスも私たちに忍び寄っているのです。
日本との関わり
守ることで守られること
日本は、国土の約7割が森林で覆われている世界有数の森林大国です。その一方で、多くの木材を輸入に頼っています。・木材製品、木材チップ、パーム油、大豆森林リスク産品のうち日本はこれらの輸出量が多く取引されています。
日本の熱帯材輸入の歴史
日本はこれまで東南アジアでの森林減少に貢献してきた歴史があります。1960年代から1990年代にかけて、日本国内での木材需要の急増に対応するため、フィリピンやマレーシア、インドネシアなどから大量に輸入したことが要因です。輸入された熱帯材は、主に建築向けの合板やコンクリート型枠として使われていました。当時、日本は世界最大の熱帯材の輸入国であり、世界の熱帯材輸入量の約半数を占めていました。過剰な木材需要が、現地での熱帯林減少や生態系の破壊の大きな要因となったと指摘されています。現在、世界の輸入量に占める日本の割合が大きい森林リスク産品は以下の通り。
パーム油(およびパーム核油)、紙製品、木材製品(合板など)
バイオマス発電が森林を破壊する?
最近、バイオマス発電向けの木材チップやペレットの輸入が増加しています。これらの原料は主にベトナムやカナダから輸入されており、2012年には7万トンであったものが2021年には311万トンにまで拡大しています。バイオマスエネルギーの利用は身近な未利用材の活用による再生可能エネルギーの普及を目的としたものでした。その後、固定価格買取制度(FIT)と呼ばれる政府からの補助金の導入により、またこの補助金が「発電」に限定されていたことから木質ペレットが輸入燃料と認められ、発電への活用が増え輸入が急増しました。生産地では需要の増えた木質ペレットを生産すべく、未利用材だけでなく、森林破壊を行い生産するということが起こっています。本来の目的に歪みの生じた結果と言えます。( カナダで は天然林を伐採、ベトナムではFSC 認証偽装など)

森林保全に向けた世界のトレンド
EUでは
欧州では、2026年よりEUDR(EU森林破壊防止規則)という規制の施行が予定され ています。この規制は、パーム油・木材・カカオ・牛肉・大豆・ゴム・コーヒーといった森林に影響を与えているとされる7 つの産品を欧州域内に最初に持ち込むすべての事業者に対して、これらの産品が森林破壊を引き起こして生産されていないことを確認することが義務付けられるというものです。
EUDR の対象となる7 つの森林リスク産品

日本では?
こういった欧州の規制に対して、
日本はどのような対応を行っているのでしょうか?
日本にも関連する法律として、2017年に施行されたクリーンウッド法「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」というものがあります。これは、木材・木材製品を輸入する事業者に対して合法性確認を義務付けるというものです。しかし、このクリーンウッド法では合法性のみに焦点が当てられているため、合法性の証明書さえあれば、それが汚職によって発行された証明書であっても、またその証明書に基づき熱帯林が破壊されていたとしても「合法材」として取り扱われます。もはや、合法性を担保するだけでは森林減少を防ぐことはできないのです。その結果、欧州の厳しい規制を満たすことのできない木材が、日本のような水際対策が十分でない国々に流れ込んでしまうことにより、生産国での森林問題が一向に改善しないという問題が懸念されます。
2025年4月の改正により、違反した場合には罰則が科されることとなりましたが、依然として関連事業者の自主的な行動を期待するものとなっています。国レベルでの対処が不十分である場合は、関連するそれぞれの民間企業やNGOなどに対応が委ねられることになります。
日本の民間企業やNGOによる取り組み
1. 認証制度
一定の基準を満たしていることを第三者により保証してもらうという仕組みです。森林リスクのある産品にはそれぞれ認証制度があり、一つの産品に対してそれぞれ異なる複数の認証制度が競合しているものもあります。(例えば、木材の認証制度ではFSC・PEFCなど、パーム油の認証制度ではRSPO・ISPO・MSPOなど)
ただし、認証を受けているから問題がないとは言い切れません。認証制度によって基準や監査体制がそれぞれ異なるからです。例えば、インドネシアの大手製紙会社であるAPP(エーピーピー)社やAPRIL(エイプリル)社は、過去に森林破壊を引き起こしたことを理由にFSCから関係を断絶され、すべての問題が解決されるまでFSC 認証を取得できない状況にありますが、一方でPEFC認証は取得しているなど認証だけで安全と判断できない状況があります。
2. NDPE方針の策定
NDPE(No Deforestation, Peat, Exploitation)日本語では「森林破壊禁止、泥炭地開発禁止、搾取禁止」を意味します。NDPE方針とは、その名の通り森林破壊や、気候変動に大きな影響を与える泥炭地の開発、開発にともなう先住民族や労働者への人権侵害に関与しないことを公約するというものです。
3. SBT
SBT(Science Based Targets)日本語では「科学的根拠に基づく目標設定」といいます。
SBTは気候変動に関するパリ協定を達成することを目的として温室効果ガスの削減を公約するというものです。日本でも、2024年11月現在で1,400社を超える企業が公約しています。さらに、森林・土地・農業セクターからの排出が一定以上の割合を占める企業については、 2025年までに「森林破壊ゼロ」を宣言することが求められます。
いま、私たちにできることは?
世界の森林減少を食い止めるため、私たちに何ができるでしょうか?
まずは、世界の森林を取り巻く状況を深く理解することが重要です。
プランテーションウォッチの取り組み
私たちは認証制度に頼るだけではすべての問題を解決することができないと私たちは考えています。
企業評価と啓蒙活動
プランテーション・ウォッチ
森林破壊に関連する産品( パーム油・カカオ・木材/ 合板) を 取り扱う
日本企業の取り組みを紹介しています。
関連する企業に対するアンケート調査
アンケート調査の内容や結果については以下リンクを参照ください。
