お知らせ

<問題点が指摘されている認証案件についての情報>

 

以下は、認証基準を満たせていない不適合や規制違反の報告です。認証木材であっても、合法性や持続可能性と考えられている基準を満たしてお らず、責任ある調達が行えない場合があります。実際、認証木材の全てが定められた基準に適合しているとは限りません。実際は想定している基準が満たされていないにもかかわらず、認証材とされている場合もあります。

 

IFCC(Indonesian Forestry Certification Cooperation)についての情報

➡WWF「インドネシアの植林地にIFCC/PEFC認証 WWFが懸念を表明」では、基準に反した土地転換や土地紛争が頻発している企業が認証取得している問題を指摘し ています。

http://www.wwf.or.jp/activities/2016/02/1307229.html

http://www.wwf.or.jp/activities/upfiles/20150817wwf_01.pdf

➡PEFCによる返答:PEFC文書「WWFによるインドネシアにおける審査に対する信頼 性の懸念表明に対する回答」

http://pefcasia.org/japan/whatsnew /PEFC_Comment_3_2016.pdf

においては、「紛争が発生した場合にはその解決を図るためのメカニズムの設置を要求している。」と返答しており、土地権を巡る土地紛争が発生していても認証を得ることができる状況にあります。

➡レインフォレスト・アライアンス, An Evaluation of Asia Pulp & Paper’s Progress to Meet its Forest Conservation Policy(2013) and Additional Public Statements(Feb 5, 2015)

http://www.rainforest-alliance.org/sites/default/files/uploads/4/150205-Rainforest-Alliance-APP-Evaluation-Report-en.pdf

このレインフォレスト・アライアンス社による報告の調査結果の要約 (summary of findings)とともに、社会紛争に関する詳述部分(FCP Element3.5)の中で、社会紛争に関連する部分を抜粋して翻訳したものが以下のリンクにあります。

http://japan.ran.org/wp-content/uploads/2015/03/RA社の評価レポート Feb2015.pdf

その中には、「APP 社がマップ化した他の数百の紛争の内、少数の割合(約 10%)は、覚書(MOU)や行動計画が作られたが、これらの紛争の大部分は残されたままである。」「38 の管理地の全コンセッションで紛争が確認されま した。多数の紛争があり、その紛争は非常に大きな面積となっている。その紛争の多くが長く続くもので非常に複雑である。確認された最も新しいものは5 年間未解決状態であり、古いものでは19 年で、ほとんどが15 年以上のものである。」との記述があります。APP社のリアウ州での管理地はIFCC認証を得ていますが、このように多くの紛争が確認されています。

 

AFS(Australia Forestry Standards)についての情報

 例えば、豪州のPEFCとの相互承認を得ているAFS(Australia Forestry Standards)においては、絶滅危惧種に重大な影響を与えるような伐採や原生林等の保護価値の高い森林の伐採も行われていたが、AFS認証されてい た。

➡タスマニア州での状況は、以下を参照。

「タスマニア絶滅危惧種保護を巡るワイランタ裁判での逆転敗訴の意味」(フェ アウッドマガジン31号 October 2008年)

https://www.fairwood.jp/news/mmbn /mmat/vol031_1.html

 「森林認証制度を見定め活動する—タスマニア森林保全と企業への働きかけ」 pp.130〜134『国際資源管理認証』(東京大学出版会 2016年)

http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-060314-0.html

➡ニューサウスウェールズ州の状況は、「日本製紙株式会社による豪州ニューサウスウェールズ州での生物多様性価値を脅かす調達について」

http://www.jatan.org/?p=3177

http://www.jatan.org/?p=3437

➡多くの州有林がAFSを取得していますが、そうした州有林管理においても合法性確保が不十分な状況が指摘されており、AFSが合法性確認ための手段として利用することも難しい状況が指摘されています。

・Feehely, J., Hammond-Deakin, N. and Millner, F. (2013) One Stop Chop: How Regional Forest Agreements streamline environmental destruction, Lawyers for Forests, Melbourne Australia

http://www.greeninstitute.org.au/sites/default/files/One_Stop_Chop.pdf

・Pugh,D.(2011) Audit of Compliance of Forestry Operations in the Upper North East New Forest Agreement Region, North East Forest Alliance.

http://nefa.org.au/wp-content/uploads/2011/02/Audit_UNE_Forests_Feb2011.pdf

・Hammond-Deakin, N. and Higginson, S.(2011) If a tree falls: Compliance failures in the public forests of New South Wales, Environmental Defender’s Office (NSW) Ltd, Sydney, Australia. http://d3n8a8pro7vhmx.cloudfront.net/edonsw/pages/284/attachments/original/1380667654/110728when_a_tree_falls.pdf?1380667654

 

MTCCについての情報

➡Missing Links – Malaysian Timber Certification Council

http://www.greenpeace.org/international/en/publications/reports/missing-links/

合法性・持続可能性を担保するものとしてMTCC認証材は欧州各国に評価されていたが、グリーンピースの調査によって、そのソースの一部にはインドネシアの違法伐採木材に由来するものも含まれていたことが暴かれた。

 

PEFC全般についての事例情報:各国のPEFC認証を比較評価したレポート

・On the Ground 2011: The controversies of PEFC and SFI, September 2011

http://www.wwf.de/fileadmin/user_upload/PDF/On_The_Ground_2011.pdf

・NEPCon, Comparative analysis of the PEFC system with FSC Controlled Wood requirements, May 2012

http://www.fsc-uk.org/preview.comparative-analysis-of-the-pefc-system-with-fsc-controlled-wood-requirements.a-257.pdf