※差し替え画像待ちなど各所あります

森林減少に関して(深掘り)
FAO(国連農業食糧機関)によると、世界で毎年約500万haの森林面積が減少しています。1980年代に比べると減少面積は減ってきていますが、大変な状態がつづいています。しかも、最近は減少面積がなかなか減っていかなくなってきています。 さらに、この数字は森林が農地などに転換されてしまった面積から植林などで森林が増加した面積を差し引いた面積です。森林が農地などに転換されて森林が破壊されてしまった面積は毎年約1000万haにも達しています。原生林や自然林が伐採されてしまうといくら植林をしても、もとの生態系にもどすのは、とても難しくなります。 森林破壊がすすんでいるのは、ほとんどが熱帯の森で、森林が増加しているのは、温帯林や北方林などです。熱帯の森と温帯の森や北方林と較べると、生物多様性や炭素の蓄積量には差があり、植林さえすれば代替えできているとは考えられません。 この森林破壊の最大の原因は牧場や農地への転換です。牛肉やパーム油・大豆などの農産物の生産拡大のために生物多様性に満ち、たくさんの炭素が貯蔵(地上の部分だけでなく、土壌にも大量の炭素が含まれ、とくに泥炭地では、莫大な炭素が貯蔵されている)されている森林が伐採されてしまっています。 FAO の「世界の森林の現状2020」には、「農業の拡大は、森林破壊と森林劣化、およびそれに伴う森林生物多様性の喪失の主な原因であり続けています。大規模な商業農業(主に牛の飼育と大豆や油ヤシの栽培)は、2000 年から2010 年の間に熱帯林破壊の40 パーセントを占め、地元の自給農業は33 パーセントを占めました。」と書いてあります。 森林の破壊は、気候変動に大きな影響をあたえ、生物多様性を失わせ、森林と共に生きる先住民などの貴重な文化を失わせ、人類の生存にも、計り知れない打撃を与えているということを疑うことはできません。 さらに、このFAO の面積には、森林が再生する可能性があるということで、林業や山火事・森林火災で失われた森林の面積は入っていません。 また、温暖化の進行で森林の劣化がすすみ、多くの樹種が絶滅の危機に陥っており、世界の森林の状態がますます悪化していくことが危惧されています。
各種団体による資料リンク
森林破壊の面積について
日本の国土面積は3780万ha(37万8000 ㎢)です。世界では、わずか4年で日本の面積をこえる森林が破壊されているという現状があります。
森林面積の変化について
FAOによる以下ページをご覧ください。どちらも日本語で読むことができます。ただし、少し誤訳もあり日本語になっていないところもありますので、ご注意ください。
泥炭地という言葉は日本では、あまり耳慣れない言葉ですが、地球環境に大変大きな影響を与えている存在です。枯れた植物が水につかった状態がつづくと、微生物の活動が抑制されて泥炭が形成されるところがあります。泥炭地は湿地でもあり、莫大な炭素が貯蔵されています。
しかし、泥炭地が開発されて乾燥すると、泥炭は微生物により分解されて二酸化炭素を排出します。さらに火災にあうと大量の二酸化炭素を放出し、地球温暖化を加速します。泥炭地は世界中にあり、インドネシアなど熱帯の泥炭地では、高い樹木が森林を形成しており、その倒木が泥炭化するので、泥炭層が厚く10mをこえるところもあり、とくに大量の炭素を蓄積しています。ラムサール条約事務局発行の世界湿地概況2018 年版によると「泥炭地は陸地面積のわずか3% しか占めていないが、 世界中の森林の2 倍に匹敵する炭素を貯えている。」としています。
泥炭地を含む湿地の重要性は、ラムサール条約(1975 年発効)などで、世界中の国々にも理解され、さまざまな取り組みも行われてきていますが、あまり開発が行われてこなかった熱帯の泥炭地でも、紙製品をつくるためのアカシアや、パームオイルをつくるためのアブラヤシのプランテーションが大規模に開発されるようになり、泥炭地が排水されて地下水位が下がって乾燥し、泥炭層にまで広がる大規模火災もたびたび起こって大量の二酸化炭素が放出されるという危機的な事態となっています。
さらに、熱帯の泥炭地はオランウータンなど貴重な動植物を支え、生物多様性を支え、水を浄化する、地球の宝ともいうべきところです。熱帯だけではなく、泥炭地を含む湿地は人間を含む多様な生物の生存のために、欠かすことのできない存在であり、守っていかなければなりません。

人々の暮らしを支える熱帯林
熱帯林がある国々では、多くの人々が森に依存する生活を送っています。住宅を建てるための木材や、生活に欠かせない食料や水などは森がすべて与えてくれます。
マレーシア・ボルネオ島の先住民族であるプナン人のように、狩猟・採集をしながら森で暮らす人々にとって、森はスーパーマーケットのような存在なのです。
森林減少の要因は?
森林が減少する原因は国や地域によってさまざまですが、主に家畜の放牧地であったり、大豆やパーム油などの作物を生産するために森林を切り開いて農地にすることが原因とされています。特にブラジルなどで牛肉を生産するための放牧地への土地転換が、世界の森林減少のもっとも大きな原因となっています。また、大豆やパーム油を生産するためのプランテーション開発も、東南アジアや中南米、西アフリカの一部で大規模な森林破壊を引き起こしています。それ以外にも、面積としてはそれほど大きくはないものの、石炭や金、また電気自動車などのバッテリーの原料となるニッケルといった鉱物資源の採取による森林破壊は、周辺環境や人びとの生活に悪影響を及ぼしています。

特にブラジルなどで牛肉を生産するための
放牧地への土地転換は、世界の森林減少の
もっとも大きな原因となっています。

それ以外にも、大豆やパーム油(アブラヤシ)を生産するためのプランテーション開発も、 東南アジアや中南米、西アフリカの一部で大規模な森林破壊を引き起こし、野生生物にも深刻な影響を与えています。

また、森林破壊の面積としてはそれほど大
きくはないものの、石炭や金、また電気自
動車などのバッテリーの原料となるニッケ
ルといった鉱物資源を採取するための森林
破壊は、周辺環境や人びとの生活に壊滅的
な影響を与えています。
記事Bがここにはいります。


焼畑は原因の一つ?
伝統的な焼畑は森林破壊の原因ではありません。
焼畑とは、森林や草地を焼き払うことで得られた灰を肥料として農作物を栽培する伝統的な農法です。地力が落ちると別の場所で焼畑を行い、休耕期間を経てまた元の土地に戻るという循環的な農業です。
しかし、人口の増加にともないより多くの農作物を生産するため、自然のサイクルを無視した非持続可能な農業が行われることで、森林破壊や生態系の破壊につながっている現実があります。
そのため、「伝統的な焼畑」と「非伝統的な火入れ」は区別しなければなりません。
日本との関わり
日本は、国土の約7 割が森林で覆われている世界有数の森林大国です。
その一方で、多くの木材を輸入に頼っています。
日本はこれまで東南アジアでの森林減少に加担してきた歴史があります。1960 年代から1990 年代にかけて、日本国内での木材需要の急増に対応するため、フィリピンやマレーシア、インドネシアなどから大量に輸入したことが要因です。輸入された熱帯材は、主に建築向けの合板やコンクリート型枠として使われていました。当時、日本は世界最大の熱帯材の輸入国であり、世界の熱帯材輸入量の約半数を占めていました。過剰な木材需要が、現地での熱帯林減少や生態系の破壊の大きな要因となりました。現在も、以下のような熱帯林の減少につながる産品を輸入しています。

投融資を通じた日本と山地に関する現状
森林破壊における金融機関の役割
を、知りたい方はこちら
別サイトに移動します


バイオマス発電が
森林を破壊する?
近年、バイオマス発電用の木質ペレットの輸入が急増しています。
日本は主にベトナムやカナダから輸入しており、2012 年には7 万トンであったものが2021 年には311 万トンにまで増加しました。化石燃料への依存を減らし、環境負荷の低い再生可能エネルギーを促進するために、固定価格買取制度(FIT)という補助金を導入しました。しかし、燃料のほとんどは輸入バイオマスが占めており、生産地では木質ペレットを生産するために貴重な天然林が伐採されています。

森林保全に向けた
世界のトレンド
EU(欧州連合)の取り組み
EUでは、2026年12月から「EUDR(EU森林破壊防止規則)」という規制が施行される予定です。
この規制は、パーム油、木材、カカオ、牛肉、大豆、ゴム、コーヒーといった森林減少の主な要因となる7つの産品を対象としています。
EU 域内にこれらを最初に持ち込む事業者に対し、森林減少を引き起こしていないことの確認が義務付けられています。
EUDR とは事業者がEU に供給する商品作物が森林破壊や森林の劣化にかかわっていないことを事前に調査、確認しなければ、EU に輸入することが許されないというEU の規則です。また、EU から輸出される商品についても同じことが求められます。
この規則の対象は、以前は木材だけでしたが、食肉やパーム油なども森林破壊に関わっていることが認識されるようになり、他にコーヒー、カカオ豆、大豆、天然ゴムとこれらを原料とする皮革、チョコレート、家具などの派生商品も含まれまることになりました。証明のやり方も厳密さをもとめられます。この規則がうまく機能すれば、世界の森林破壊が大幅に抑制されることが期待されます。
この規則はEU の理事会や議会でも承認され、2023 年6 月に発効し、20264 年12 月から適用が開始される予定となっています。
EUDR の対象となる7 つの森林リスク産品


日本の取り組み
日本では、2017 年に施行された「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(クリーンウッド法)」があり、木材を輸入する事業者に合法性の確認を義務付けています。しかし、この法律は合法性のみを対象としており、汚職による証明書の発行や熱帯林の破壊がともなう場合でも、生産国の証明書があれば「合法材」として扱われます。

日本の民間企業による取り組み
企業による自主的な取り組みとして、NDPE(森林減少ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ)方針があります。森林減少や気候変動に大きな影響を与える泥炭地の開発、先住民族や労働者の人権侵害に関与しないことを約束するものです。商品の生産・流通・製造・販売に関わるすべての企業がNDPE 方針を守ることで、生産国の森林減少を止めることにつながります。

認証制度とは
認証制度は、第三者機関が環境や人権の基準を満たしていることを証明する仕組みです。木材ではFSC(森林管理協議会)やPEFC(森林認証制度相互承認プログラム)、パーム油ではRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)があり、認証ごとに基準や監査体制が異なります。そのため、認証があっても問題がないとは限りません。環境配慮を宣伝しながら、実際には森林破壊に加担するような「グリーンウォッシュ」の事例もあります。
認証マークの一例


いま、私たちにできることは?
世界の森林減少を食い止めるため、私たちに何ができるでしょうか? まずは、世界の森林を取り巻く状況を深く理解することが重要です。
私たちの生活は森林と深く結びついています。スナック菓子、カップ麺、パン、洗剤などのパーム油製品、チョコレートなどのカカオ製品、トイレットペーパーやコピー用紙などの紙製品、フローリングなどの木材製品、木質ペレットを燃料とする電気は、森林減少を引き起こしていいる可能性があります。まずは、どの商品が森林減少に関与しているかを知り、意識的に商品や企業を選ぶことが大切です。さらに、環境に配慮していない企業に改善を働きかけることが効果的です。
認証制度の基準や監査体制にはバラつきがあるため、私たちNGO はデータや現場調査に基づく情報提供をしています。消費者として認証マークを鵜呑みにせず、自分なりに情報収集して商品を選んでみましょう。
世界の森林減少を食い止めるため、私たちに何ができるでしょうか? まずは、世界の森林を取り巻く状況を深く理解することが重要です。
私たちの生活は森林と深く結びついています。スナック菓子、カップ麺、パン、洗剤などのパーム油製品、チョコレートなどのカカオ製品、トイレットペーパーやコピー用紙などの紙製品、フローリングなどの木材製品、木質ペレットを燃料とする電気は、森林減少を引き起こしていいる可能性があります。まずは、どの商品が森林減少に関与しているかを知り、意識的に商品や企業を選ぶことが大切です。さらに、環境に配慮していない企業に改善を働きかけることが効果的です。
認証制度の基準や監査体制にはバラつきがあるため、私たちNGO はデータや現場調査に基づく情報提供をしています。消費者として認証マークを鵜呑みにせず、自分なりに情報収集して商品を選んでみましょう。
プランテーションウォッチの取り組み
私たちプランテーション・ウォッチは、パーム油、カカオ、紙、バイオマス燃料向けの木材などを生産するためのプランテーション開発にみられる主に東南アジア諸国での環境・社会問題の改善に向けた取り組みを推進しています。

プランテーション・ウォッチ
https://plantation-watch.jp/
森林破壊に関連する産品( パーム油・カカオ・木材/ 合板) を 取り扱う日本企業の取り組みを紹介しています。
日本のパーム油企業に対して、環境・社会問題への取り組み状況を把握するためのアンケート調査を行っています。企業ごとの回答の有無やNDPE 方針の採用状況などについて公開しています。お気に入りの商品を作っている企業の取り組みをチェックしてみましょう。
↑コーディング済(PC)↑
2. NDPE方針の策定
NDPE(No Deforestation, Peat, Exploitation)日本語では「森林破壊禁止、泥炭地開発禁止、搾取禁止」を意味します。NDPE方針とは、その名の通り森林破壊や、気候変動に大きな影響を与える泥炭地の開発、開発にともなう先住民族や労働者への人権侵害に関与しないことを公約するというものです。
3. SBT
SBT(Science Based Targets)日本語では「科学的根拠に基づく目標設定」といいます。
SBTは気候変動に関するパリ協定を達成することを目的として温室効果ガスの削減を公約するというものです。日本でも、2024年11月現在で1,400社を超える企業が公約しています。さらに、森林・土地・農業セクターからの排出が一定以上の割合を占める企業については、 2025年までに「森林破壊ゼロ」を宣言することが求められます。
いま、私たちにできることは?
世界の森林減少を食い止めるため、私たちに何ができるでしょうか?
まずは、世界の森林を取り巻く状況を深く理解することが重要です。
プランテーションウォッチの取り組み
私たちは認証制度に頼るだけではすべての問題を解決することができないと私たちは考えています。
企業評価と啓蒙活動
プランテーション・ウォッチ
森林破壊に関連する産品( パーム油・カカオ・木材/ 合板) を 取り扱う
日本企業の取り組みを紹介しています。
関連する企業に対するアンケート調査
アンケート調査の内容や結果については以下リンクを参照ください。







